旧耐震基準で築古のマンションの方が新耐震基準のものに比べて安かったり、同じ価格でもお部屋が広かったり、築年数以外の条件が良いことが多いので気になっている方もいるでしょう。
とは言っても気になるのは安全性。
立地、間取り、価格という条件は満たしていても、「新耐震基準マンションではないから、、、」という理由で断念されるケースも少なくないと思います。
では、本当に旧耐震基準の物件は安全性の面で新耐震基準に劣るのか、そもそも旧耐震基準や新耐震基準はどのような基準なのか、今回の記事ではじっくり解説します。
マンションの耐震基準とは？
耐震基準の歴史は、日本を襲った大地震の歴史と重なっていると言えます。
いわゆる旧耐震基準が制定されたのは1948年の福井地震（マグニチュード7.1）の翌々年、1950年のことでした。
マンションを含む鉄筋コンクリート造の集合住宅自体まだ歴史が浅いわけですが、耐震基準の歴史も実はそれほど長いわけではないのです。
そして、1968年に発生した十勝沖地震（マグニチュード7.4）で受けた被害の教訓を糧に、1971年、鉄筋コンクリート構造建物の柱帯筋の基準が強化されました。
これは、コンクリート内部の「主筋」を束ねる「帯筋」と呼ばれる鉄筋の本数を倍に増やし密度を高めるもので、地震の際の揺れに対するコンクリートの「粘り強さ」を高める効果があります。
この画期的な法改正により、鉄筋コンクリート造の建物の強度は飛躍的に高まることになりました。
そしてその後1981年、1978年に大きな被害をもたらした宮城沖地震（マグニチュード7.4）を経て、耐震基準をさらに高める法改正が行われました。
この時に定められた基準が、いわゆる「新耐震基準」と呼ばれるものです。
このようにマンションの耐震基準とは、過去の地震被害の教訓から学び、改善を積み重ねて成り立っているものであると言えるのです。
古いマンションと耐震診断
いかがでしょうか？
古いマンションの耐震性に不安をお持ちのお客様の中には、「旧耐震基準は新耐震基準より劣るもの」という印象をお持ちの方も多いかと思います。
ある意味事実ではあるのですが、新耐震基準改正への成り立ちをお知りになると少し印象も変わってくるのでないでしょうか。
旧耐震基準マンションの中には、「現在の耐震基準と照らし合わせてどのレベルの耐震性を維持できているのか？」を診断する「耐震診断」を受け、新耐震基準の強度をクリアしているているマンションが数多く存在します。
また、この診断結果を元に「耐震補強工事」を実施し、強度を高めたマンションも同様に数多く存在しています。
理想のお部屋を「旧耐震基準マンションだから、、、」という理由だけで諦める前に、まずは耐震診断の有無をご確認されてはいかがでしょうか。
気になる旧耐震基準のマンションの耐震性、プロに相談してみませんか？
（初回投稿日：2025年5月16日）
