渋谷区の中古マンション市場は、2026年もなお上昇基調が続いています。
一方で金利上昇の影響も現れ始め、エリアや物件条件による「差」がかつてなく鮮明になっています。
本コラムでは2026年最新の市場データをもとに、住みやすさと資産性の2軸でエリアを評価。2025年版から変わった点も含めて解説します。
2026年の渋谷区市場トピック
・2026年公示地価(住宅地)は渋谷区全体で前年比+12.5%上昇
・渋谷駅周辺(桜丘町)は商業地で前年比+29.0%と区内最大の上昇率を記録
・日銀の利上げにより住宅ローン変動金利が見直しの局面に。買い手の慎重姿勢も一部で顕在化
エリアランキングTOP5
1.恵比寿代官山エリア
ブランド力・流動性・資産安定の三拍子揃った最高峰
2026年公示地価でも恵比寿西が渋谷区の住宅地最高値を継続。
高台の良好な住環境・ブランド力・マルチ路線の利便性が揃い、売却時の流動性は区内随一です。
高所得層・外国人居住者の実需が安定しており、金利上昇局面でも需要が底堅い点が強みです。
・恵比寿ガーデンプレイスを中心に商業・住宅が成熟共存
・代官山は低層住宅規制が続き、希少性が維持されやすい
・駅徒歩10分圏内の物件は成約期間が短く、買い手がつきやすい
2.広尾、松濤、南平台エリア
希少性と格式が価格を支える高級住宅街
松濤・南平台は渋谷区内でも屈指の高級住宅エリア。
大使館や外国人施設が集まる広尾とともに、国際的な需要が下支えとなり坪単価は区内トップクラスを維持しています。
供給が極めて少ない希少エリアのため、価格の下振れリスクが低い点が資産性評価を高めています。
・有栖川宮記念公園など緑地が豊富で住環境が落ち着いている
・グローバルな需要があり、外貨資産との組み合わせで保有する富裕層も多い
・新規供給が少なく、中古市場での競合が起きにくい
3.代々木上原、富ヶ谷エリア
利便性と落ち着きのバランスで評価が急上昇
2025年版では4位圏内のエリアでしたが、2026年版で3位に浮上。代々木上原駅周辺の公示地価は2013年比で約47%上昇しており(124万円/㎡)、都心アクセスの良さと洗練された住宅地としての評価が高まっています。渋谷駅まで小田急線で1駅、新宿・表参道へも直結という立地が特に評価されています。
・おしゃれなカフェや飲食店が増え、30〜40代の実需層に人気
・富ヶ谷方面は代々木公園に近く、緑豊かな環境が魅力
・恵比寿・広尾に比べ価格がやや手頃で、コスパの高さも注目
4.渋谷駅周辺エリア
桜丘町の再開発完成で商業地価が急騰・注目度上昇中
2026年の公示地価で渋谷区桜丘町は商業地の上昇率が前年比+29.0%と区内最高を記録。
渋谷サクラステージの完成など再開発効果が地価に反映され始めています。
住居用途としては繁華街の性格が強いですが、中長期保有の資産性という観点での注目度が増しています。
・渋谷スクランブルスクエア(東棟・西棟)など大型施設の整備が進む
・2030年代まで続く再開発計画により、エリア全体の価値向上が期待される
・駅から徒歩5分圏内の住宅は希少で、成約期間が短い傾向
5.初台、幡ヶ谷、笹塚エリア
渋谷区内で10年後の地価上昇率トップ予測が話題に
2026年4月に公開された専門家分析で、渋谷区内で10年後の地価上昇率トップと予測されたのが「初台」です。
現在の坪単価が300万円台と区内では相対的に手頃なため、「割安な土地ほど値上がり率が大きい」という法則が働きやすいとされています。
予算重視の実需層に人気が高く、生活利便性も高い穴場エリアです。
・初台・本町エリアの公示地価(住宅地)は88万円/㎡(2025年)で着実に上昇中
・笹塚・幡ヶ谷は商店街が充実し、ファミリー層・若い世代が流入継続
・予算5,000万円以下の1LDK〜2LDKが現実的に狙える数少ないエリア
金利上昇時代の物件選びのポイント
金利上昇時代の物件選びのポイント
日銀の利上げにより、住宅ローンの変動金利は2026年に入り上昇が続いています。
この環境下では、資産性の高い物件をより慎重に選ぶことが重要です。
2026年の注意点:変動金利は0.945%〜1.025%の水準で推移しており、今後もさらなる見直しが予定されています。
借入可能額と月々の返済シミュレーションを必ず複数パターンで確認しましょう。
2026年版・資産チェックリスト
・駅徒歩10分以内かどうか(金利上昇局面でもこの条件は需要が安定)
・築年数と大規模修繕の実施履歴・修繕積立金の充足度
・変動金利、固定金利それぞれでのシミュレーションを確認
・管理組合が機能しているか(長期修繕計画の有無)
・再開発計画・周辺の都市計画情報を確認(プラス・マイナス両面)
・売り出し価格が2026年の成約相場と乖離していないか
まとめ
2026年の渋谷区は「価格上昇の恩恵を受けてきた時代」から「エリアと物件を見極める時代」へと転換しています。
恵比寿・代官山・広尾のブランドエリアは引き続き安定ですが、代々木上原の台頭と初台の将来性など、新たな注目軸も生まれています。
金利環境の変化も踏まえ、予算・ライフスタイル・将来の出口戦略を総合的に考えることが、2026年の中古マンション購入では特に重要です。
(初回投稿日:2026年5月22日)
- ①渋谷区公示地価 前年比+12.5%
- 出典:国土交通省「令和8年地価公示」(一次情報)
- 参照サイト:TERASS新宿区エージェント「【2026年公示地価】渋谷区の地価は前年比+12.5%」、土地代データ(tochidai.info)
- ②渋谷区桜丘町の上昇率+29.0%
- 出典:国土交通省「令和8年地価公示」(一次情報)
- 東京都の地価上昇率地点ランキング1位は渋谷区桜丘町で前年比+29.0%と、渋谷サクラステージ近くの地点が最高の上昇率を記録したことが報告されています(PLAZA HOMESによる解説記事)
- ③初台が渋谷区内10年後の上昇率トップ予測
- 出典:ダイヤモンド不動産研究所「10年後の地価上昇率からまちを読む Vol.1《東京都渋谷区》」(2026年4月15日公開)
- 住まいと街の解説者・中川寛子氏がダイヤモンド不動産研究所の地価騰落率10年後予測をもとに分析した記事で、渋谷区内の10年後上昇率トップとして「初台」が挙げられています

