中古マンションの耐震性に関して知りたい!!
建物の耐震性について、なんとなく耳にしたことがあるのは、「新耐震基準」「旧耐震基準」という言葉ではないですか? そして、「新耐震基準で建てられたマンションは、旧耐震基準のマンションより地震に強い」と思ってはいませんか?よく耳にする“新耐震基準”、“旧耐震基準”とは具体的に何なのか、本当に旧耐震はダメなのか、詳しくご説明します。
旧耐震だからナシ、それって正解なの?
では、中古マンションをご検討される段階で、旧耐震だからパス!というのは、本当に正解なのでしょうか?
実際には、旧耐震といわれる築年数の中古マンションの売買は、新耐震と同等かそれ以上におこなわれていますし、ここ数年は中古マンションの購入者が新築マンションの購入者を上回っています。(※東日本不動産流通機構調べ)旧耐震でもご購入の判断をされている方は、どのような経緯で、物件を選んで購入されているのでしょうか?
旧耐震物件購入者が旧耐震を選ぶ理由
◆購入者が旧耐震の中古マンションにするきっかけ
不動産は相場があるので、
☑利便性の良い駅近物件は、価格高め。
☑お部屋の広さを求めると、価格高め。
☑陽当たりや眺望が良くなると、価格高め。
☑築年数が新しくなると、価格が高め。
このように、好条件を求めたら価格が上がるのはご存じだと思います。
そうはいっても、2階以上~、50㎡以上~、駅から10分以内~という条件をあきらめたくない方に人気なのが、これらすべての好条件が叶いやすく、手ごろな価格帯の旧耐震の物件。旧耐震でも維持管理さえしっかりとしていれば問題ないので、おのずと中古マンションが選択肢にあがってくるようです。
「旧耐震基準」と「新耐震基準」の違い
1981年(昭和56年)に耐震基準が大きく改正され、新耐震基準が生まれました。
新耐震基準とは、『1981年(昭和56年)6月1日』以降に建築確認(※1)を受けた建物のことです。上記の期間より後に『完成』した住宅ではありませんので、ご注意ください。(※1)建築確認:建築主は、建築予定の建物が法令に適合した建物か審査を受けます。
旧耐震と新耐震の基準点は以下になります。
◎旧耐震:震度5程度の地震に耐えうる住宅
◎新耐震:震度6強程度の地震で倒れない住宅
基準点はたしかに上記のとおりなのですが、旧耐震が震度6の地震で100%倒壊するわけでも、新耐震が震度7で100%倒壊するわけでもないようです。なので、旧耐震は新耐震に劣る、とは一概には言えないのです。
マンションは管理を買いなさい!
これは、常々言われることです。でも管理を買うってなに?
管理のいいマンションの見極め方
まず、きちんと修繕積立金を貯めて、「長期修繕計画に基づいて、定期的に大規模修繕が行われているかどうか」を確認することが大切です。
気に入った物件が見つかって、最終的に買うかどうかを判断する段階になったら、売主さんや仲介会社担当者に、 管理状態について質問してみてください。きちんとしているマンションなら、管理状態を推測できる管理組合の総会議事録、修繕履歴などを開示してくれると思います。
「旧耐震には、新耐震以上の耐震構造の住宅も!
余談ですが、築40年を超える分譲マンションのなかには、 今でいう「ヴィンテージマンション」と呼ばれる物件もあります。分譲主もゼネコンも新しい都市型住宅の普及に向けて意欲的にチャレンジしていた時代なので、耐震構造的に安全性の高いレベルで建築されている物件も含まれている、と言われています。また最近は、旧耐震でも「耐震補強工事」をしている物件も数多く見かけます。
築30年、40年の物件も実際に中古市場に出て取引が行われていますので、 築年数だけにとらわれるのではなく、、
管理の状態に目を向けてみたり、エントランスがピロティ(吹き抜け)になっているか、マンションをティッシュ箱に見立てて、ティッシュ箱を立てた状態といつも通り寝かせた状態、どっちが倒れやすいかを考えてみてください。そうすると、どんなマンションが地震に強そうか、なんとなく線引きができそうですね。
もちろん様々な条件で耐震性は変わってきますが、旧耐震だからとパスするのではなく、一度、旧耐震物件も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
(初回投稿日:2025年3月28日)