新築マンションの売れ行きが悪化しているのをご存じでしょうか?
以前は、新築マンションの成約件数が、中古マンションの約2倍ほどありましたが、2016年には逆転しております。なぜ、新築マンションは売れなくなってしまったのか。なぜ、中古マンションは売れているのか。その疑問にお答えしていきます。
なぜ、新築マンションが売れなくなってしまったの?
日本では、新築マンションのニーズがとても強い時代がありました。マンション購入=新築のように、中古を買うという考え自体が一般的ではありませんでした。
では、なぜ、新築マンションが売れなくなってしまったのか。その、一番の要因は新築マンション価格の高騰が理由だと考えられます。
現在、日本では建築費が10年近く高騰しています。その主な理由は、2つあり、職人不足と建築資材の高騰です。
◆慢性的な職人不足
建築業界では職人の高齢化が進んでいます。それにより、退職する職人が増えていますが、若い世代が入ってこないため、人手不足はさらに進んでいます。少ない職人を奪い合うような状況となり、結果的に建築費の高騰につながっています。最近では、法改正をして、外国人労働者を受け入れやすくして改善を図っていますが、なかなか改善されないのが現状です。
◆建築資材の高騰
家を建てるのに欠かせない資材の一つに木材があります。日本の木材自給率は、2021年では41.1%となっており、半分以上が輸入木材を使用しています。しかし、新型コロナウイルスの影響により、輸入木材価格が高騰してしまいました。これを「ウッドショック」と呼ばれています。コロナウイルスの影響で、住宅需要が高まり、特にアメリカと中国では、住宅の建てる人がかなり増えました。その結果、輸入木材価格が高騰してしまいました。
主に上記2つの理由で、建築費が高騰して、結果的に新築マンション価格の高騰にも影響してしまっています。
中古マンションが売れている理由とは?
中古マンションが人気の理由はなんといっても価格です。首都圏における新築マンションの2022年度平均価格は6,288万円で過去最高額となっております。一方で、中古マンションの2022年度平均価格は4,716万円と約1,500万円以上差があります。
建築費が現在も高騰していることから、これからも差が開いていく可能性が十分にあるでしょう。
その他にも、中古マンションが人気の理由は「立地」も関係してきます。
マンションを建てるには、もちろん土地が必要になります。ですが、土地は有限で限りがあります。駅周りを想像していただくとわかりやすいかと思いますが、マンションやビルなどが密集していると思います。駅近くの土地には既に建物がたっており、新築マンションを建てることが難しいのです。そのため、駅近くの好立地な場所には中古マンションが多く建っているのです。建て替えをしないの?と思ってしまいますが、多額のお金が必要になったり、住民の5分の4以上の賛成が必要になったりと建て替えが進んでいないのが現状です。
そのため、好立地かつ価格が安い中古マンションが売れているのです。
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中古と新築どちらを買うのが正解なの?
結論、どちらも正解であり、不正解ではないです。
皆様それぞれの生活スタイルにあったマンションを買うのが正解です。
毎日駅を利用するから駅近がいい、家族が増えてきてお部屋の広さがほしい、駅から離れた静かな場所に住みたいなど様々かと思います。
ですが、なかなかご自身の本当に求めている生活スタイルがわからない方がほとんどです。
そんな時は、ぜひ不動産のプロに相談してみてください。
ご自身が気付かなかった本当の希望がわかるかもしれません。
(投稿日2023年9月1日)