ご自宅の売却
マンションを購入されるお客様で、現在、持家でそのご自宅を売却されてのお買い換えを考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
ご自宅の売却自体は、お客様が個人で行うことも可能ですが、例えばお知り合いの中で買主が見つかったとしても、専門知識が必要な高額の不動産売買契約を個人間で結ぶのはリスクが大きく、あまり現実的な話ではありません。 そこで、不動産売却の際は不動産仲介業者（以下、仲介業者）と間で媒介契約を結び、買主様探しから商談、契約締結までの一連の業務を委託することが一般的になっています。 では不動産仲介業者との間で媒介契約を結ぶ際、どのような点がポイントになるのでしょうか？
媒介契約の種類とその違い
まず、媒介契約は以下の3つに分類されます。
「一般媒介契約」
お客様は上限なしで、複数の仲介業者と媒介契約を結ぶことができます。数多くの仲介業者と契約すればそれだけ、それだけ成約への効果も期待できそうに思えますが、一般媒介契約では媒介契約した仲介業者に課せられる販売活動、業務報告等の義務はありません。 よって売却の進捗状況捗は非常に読み辛くなりますが、より多くの仲介業者に買主を紹介してもらえる可能性があるという利点はあります。ただ、他の仲介業者に売却をされてしまうと、仲介手数料が全く入ってこないので、その仲介業者にとっての売却活動の優先順位が低くなってしまう場合も、想定されます。
「専任媒介契約」
専任の名の通り、お客様が媒介契約が出来る仲介業者は1社となります。 仲介業者へ課せられる販売活動、業務報告等の義務もあり、お客様は定期的（2週間に1度）に販売活動や買主との交渉内容の報告を受けることになります。 この専任媒介契約においては契約を結んだ仲介業者のみが買主を見つけ出す権利があるわけではなく、不動産データベース（レインズ）に登録する義務があり、他業者もそのレインズを閲覧して、自社のお客様に紹介することも可能です。ただ、お客様がご自分で購入者を見つけ出した場合に限っては、媒介契約を結んだ仲介業者を通じて、契約する必要はありません。。
「専属専任媒介契約」
こちらも、専任媒介契約と同様に、お客様と仲介業者1社のみとの契約となります。 各媒介契約の中では仲介業者へ課せられる販売活動、業務報告等の義務度は一番高くなり、お客様は1週間ごとに販売活動状況の報告を受けることになります。 この専属専任媒介契約においては買主探しを1社の仲介業者へ一任するため、お客様がご自身で見つけた買主であっても仲介業者を介さないと売買契約をすることはできません。
いかがでしょうか？ 仲介業者との契約は、実はこれだけ内容に違いがあるのです。
売却を成功させるには？
では、売却を成功させるには、3種類の契約形態のどの契約を結ぶのが良いのでしょうか？ 売却という明確な目標を持って販売を委託する場合、やはり仲介業者を1社に絞って、成約のために販売活動に専念してもらうのが理想的と言えるでしょう。 ただし、そこにはもうひとつ大切なポイントがあります。それは、親身になって一生懸命に販売活動をしてくれる仲介業者を見つけることです。 信頼できる仲介業者と出会い専任媒介契約を結ぶことが、売却を成功させるための第一歩であると言えるのではないでしょうか。
不動産業者の買取とは？
一般的に、上記の通り、ご自宅の売却の際は仲介業者と媒介契約を結び、買主探し・商談・契約といった一連の業務を委託すことが一般的です。 ただ、不動産の売却方法はそれだけではありません。再販売するための商品としてお客様のご自宅を必要としている不動産業者（以下、業者）が、お客様から直接ご自宅を購入するというものです。 最近よく目にする「リノベーション済みマンション」も、このようにして買取られた物件を商品として再販しているものです。
買取のメリット・デメリット
業者による買取のメリットとは何でしょうか？ 一般的には、以下のポイントが挙げられます。
・売却までの時間が短く、売却金額が早期に確定できる
・買取価格が明示されるので、売却後の資金計画が立てやすい
・買主が不動産業者となるため、契約不適合責任（※注）が免除される
・仲介業者がいらないため、仲介手数料が発生しない
・内密に話を進めることができるため、周りに知られることなく売却を済ませることができる（
※注）契約不適合責任・・・売買契約締結時存在していた見えざる欠陥に関して、売主が買主に対して負わなければならない責任のこと
デメリットも考えてみましょう。
・業者はリノベーション等の再販を視野に入れて買取るため、買取価格が相場より低くなることが多いというのが、買取のデメリットはこの一点に尽きると言ってもいいかもしれません。 しかし、買取価格はあくまで業者の事業計画に基づくものなので、お客様の希望金額と一致する業者が見つかるとは言い切れません。 何より業者はお客様のご自宅に魅力を感じて商談を持ちかけてくるわけですから、あまりに相場とかけ離れた価格を提示したところで破談になってしまっては意味がないのです。
結局、通常の売買とどっちがお得なのでしょうか？上記のことを踏まえて考えますと、お客様にとってのメリットがデメリットを上回るのであれば、買取の方がお得であると言えるのではないでしょうか。 「急いでいないから、条件に合う買主さんが見つかるまで待つよ」というお客様には向いてないかも分かりませんが、 買い替え等であまり時間に猶予のないお客様等にとっては有益な売却方法であると言えるでしょう。
（初回投稿日：2025年12月5日）
