「任意売却」とはどのようなものでしょうか。
不動産を担保に住宅ローンや借金等を借りた債務者(住宅ローンなどを借りている人)が、何らかの理由により返済を滞納してしまった場合、基本的には金融機関などの債権者はその担保にした不動産を差し押さえして、裁判所に「競売」の申し立てをすることとなります。
「任意売却」はこのような競売とは違い、債務者(借り手)のみならず、債権者(貸し手)にもメリットがある売却方法です。
◆住宅ローン滞納者の選択肢の一つが「任意売却」
「競売」とは正式名称を一般競争入札といい、債権者が債務者や連帯保証人が所有している不動産の売却を裁判所へ申し立て、その申し立てが正当と立証された場合に裁判所の権限にて強制的に売却することを指します。
購入検討者は室内を内覧しないで購入することになるので、おのずと任意売却より安価での売却となってしまう可能性が高いです。
それに比べて「任意売却」は、通常の不動産売却と同じ流れでの売却となり、任意、つまり債務者の意思で売却することを指します。
◆滞納開始から任意売却の流れについて
住宅ローンの滞納が始まって約6ヵ月間(6回)滞納すると分割返済の権利を失います。
これを期限の利益の喪失と言います。
そうなると金融機関は債務者だけでなく連帯保証人や保証会社に対して一括返済を要求します。
債務者が任意売却を進める意思を債権者へ示せば、競売の申し立てを停止し、債務者は不動産業者と協力して任意売却を進めていくことになります。
その後、物件の価格調査を行い、販売価格の話し合いを経て販売活動を行い、購入者を探します。
購入者が決まり次第、売買契約となり、所有権の移転や抵当権抹消、差し押さえの取り下げなどを行います。
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◆任意売却のメリット
①市場相場に近い価格での売却が可能
債権者もできるだけ高い値段で売ることを条件に任意売却に応じますので、安く売られてしまう心配がありません。
競売の場合は任意売却に比べて安価での売却になってしまう可能性があり、いくらで売れるかがわからない不安があります。
②周囲に知られることなく売却することができる
競売になると、まず裁判所で公開され、次にインターネットや新聞などでも告知がされます。
競売開始決定通知が打たれると、地域の不動産業者が自宅に多数押し寄せてきます。
それに対し任意売却は通常の売却と同じ方法で売却活動が行われるため、近隣の方に知られず売却を進めたい場合にはチラシやインターネット、のぼり旗等での広告を断ることもできます。
③不動産売却価格から諸経費の支払いができることから、債務者負担はない
引っ越しするにあたり、引っ越し費用の一部を売却代金の中から控除してもらえる可能性が高いので、金銭的負担が軽減されます。
対して競売は退去のみを求められ、大抵の場合、引っ越し代や立退料が支払われることはありません。
④残債が残った場合、分割返済することができる
任意売却でいう「残債務」とは、任意売却し債権者へ売却代金を支払っても借入金残額が返済できずに残ってしまう借入金のことです。
本来は売却と同時に全額を返済しなければ金融機関は抵当権を解除しませんが、任意売却することを承諾した債権者は残債務が残ってしまう売却でも抵当権を抹消してくれます。
⑤契約日や明け渡しなど売却に関して交渉が可能
競売では落札後、落札者からはすぐに退去を求められ、断ることはできません。
一方、任意売却では、通常の売却と同じように買主に対し、引渡時期を交渉することが可能です。
◆任意売却のデメリット
任意売却のデメリットは、
①新規ローンが使えない
住宅ローンの滞納は当然信用情報に延滞の記録がつくため、任意売却後5年~7年程度新たにローンを組むことが難しくなります。
但し、既に所有しているクレジットカードについては、そのまま利用できるケースがほとんどです。
②任意売却で解決できず、競売になることがある
任意売却は市場価格に近い金額で販売を行うことができますが、残債と市場価格の間に開きが大きい場合は金融機関から任意売却への同意が得られないケースがあります。
また、売り出しをしていても売却が決まらない場合は差し押さえから3~4ヵ月ほどで競売にかけられてしまうこともあります。
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◆まとめ
住宅ローンは滞納が続いてしまうと競売の手続きが進行し、辛い状況に直面する可能性があります。
状況によっては早く引き渡しをしないとならず、自分だけではなく家族にも辛い思いをさせてしまうかもしれません。
任意売却は住宅ローンに悩む方にとってはかなり有効な手段ですので、万が一滞納してしまった場合には早い段階で信頼できる不動産業者に連絡をし、任意売却で新たな生活をスタートさせる一歩を踏み出しましょう。
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(初回投稿日:2025年10月24日)

