査定方法の種類
不動産の査定方法としては一般的に「原価法」「収益還元法」「取引事例比較法」の３タイプに分かれています。
この３タイプは簡単に説明すると下記になります。
●「原価法」
現時点で同じ物件を建て直すといくら費用がかかるかを現在の建築費用で算出した価格です。
●「収益還元法」
人に賃貸で貸し出した投資用物件としての価格算出方法になります。
●「取引事例比較法」
類似した物件が実際に過去にあった取引事例を参考に算出する価格です。
一般的に中古マンションを売却する場合だと、ほとんどの場合は３つ目の「取引事例比較法」になります。
査定の方法
査定の仕方は２種類に分かれていて「机上査定」と「訪問査定」になります。
●机上査定
査定を依頼された不動産会社が、取引事例比較法などを用いて、現地や室内を確認することなく、おおよその価格を算出する方法です。
築年数や間取り、部屋の向きなどを参考に、実際に室内などを見ずに査定するので、すぐに目安となる価格がわかるのが長所ですが、
あくまでも机上の査定なので正確性には欠けるので注意が必要です。
●訪問査定
査定を依頼された不動産会社が実際に現地を訪れ、物件や室内の状況はもちろん、眺望や周辺環境など総合的な観点から査定する方法です。
当然ですが、現地を訪れない机上査定よりも正確な査定価格を算出してくれますし、査定価格の根拠などもも聞くことができます。自分のマンションの価値を大まかに知りたいというのであれば、机上査定でも十分だと思いますが、実際に売却の計画があったり、価格次第では売却を検討される方であれば、「訪問査定」を不動産会社に依頼されたほうがいいでしょう。
査定価格
よくご質問があるのですが、査定価格とは「絶対に売れる金額」というワケではありません。
あくまで、取引事例を基に算出した「このくらいであれば売れるであろう」という価格になります。
そのため、売却活動時期に同じ建物内に同様に中古マンションが売りにだされていたりすると価格が下がってしまう場合もあります。
また、「売出し価格」という言葉もありますが、この売出し価格と査定価格は異なります。
査定価格は、「これぐらいでの価格なら売れるであろう」不動産会社が算出した価格ですので、まだ世の中に出ているワケではありません。
それに対して、売出し価格は売り始める時にチラシやネットなどの広告に出す価格です。
つまり、その売出し価格を見て購入検討者が集まってきますので、非常に大事な価格になります。
この売り出し価格は査定価格を基に算出するので、査定価格は今後の物件の売却において非常に重要なポイントなので、不動産会社の担当者とよく相談する必要があります。
ただ、自宅の売却を依頼する不動産会社を選ぶときに「査定価格が高いから」という理由だけで選ぶべきなのでしょうか。
先ほど言ったように査定価格とは、あくまで「売れるであろう」金額だからです。
高い査定価格を出しておいて、結局売れずに「価格を下げましょう」と言ってくる不動産会社もいます。
特に、他の不動産会社と比較して明らかに高い査定価格を提示してきた不動産会社には気を付けないといけないかもしれません。
不動産会社によっては、媒介契約（不動産の売却を依頼する契約）を取りたいという目的のためだけに、査定価格を高く提示する不動産会社もいるからです。大事なことは査定価格の「高さ」ではなく、査定価格の「根拠」と信頼のおける「営業担当者」かどうかです。
(初回投稿日：2024年2月23日）
