マンションのパンフレットや販売図面といった広告には、物件の広さを表す「専有面積」という記載項目があります。
物件の詳細や概要に、専有面積=●●m2(壁芯) と記載されているのをよく見かけると思いますが、この「壁芯(へきしん・かべしん)」という言葉がどのような意味か、ご存知でしょうか?
区分所有建物(マンション)の購入を検討されている方は知っていて損はない知識ですので、是非チェックして下さい。
あえて「壁芯」と表記するのはどの様な目的があるのでしょうか。
専有面積とは一般的に、マンション一室の広さ(面積)を表しています。
では、なぜそこにあえて「壁芯」という表記がされているのでしょうか?
専有面積の算出方法は2通りある
実は床面積(専有面積)の算出方法は、
「壁芯計算」と「内法計算」の2通りがあり、同じ部屋でも、それぞれの面積は異なります。
●壁芯面積・・・家の内壁の中心を基準とした広さになり、建築確認申請などに利用されます。
●内法面積・・・家の内壁の線を基準とした広さになり、主に登記申請などに利用されます。
結果、実際の家の広さは内法面積で、図面に記載している壁芯面積よりも狭くなります。
算出方法が2通りあるのはなぜ?
ではなぜ、2通りの算出方法があるのでしょうか?
床面積の定義はそれぞれ法律と深く関係しているからです。
●建築基準法の「床面積」
建築基準法では床面積の算出方法は以下のように定められています。
床面積:建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。(建築基準法施行令 第二条第一項三号)
建築確認申請などは、「壁芯計算」で算出することになります。
●不動産登記法の「床面積」
一方、不動産を登記する際の床面積算出方法は以下のように定められています。
建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線(一棟の建物を区分した建物については、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てる。(不動産登記法施行令 第八条)
このように定義されており、面積は「内法計算」で算出することになります。
なお、戸建て住宅においては、登記上においても「壁芯面積」を採用しているのが一般的ですのでご注意ください。
専有面積の「壁芯面積」と「内法面積」の違いによる注意点
これらの違いで最も注意が必要なのは、床面積の規定が定められている、税制の優遇(軽減)措置についてです。
住宅ローン控除や不動産取得税・登録免許税の軽減措置を受けようとする場合の条件として、
「登記簿面積が50㎡(一部40㎡※①)以上」あることが条件となります※②。
※①その他諸条件、期限あり。
※②その他諸条件(自己居住であること等)あり。
マンションのパンフレットや販売図面に記載されている面積が50㎡以上(壁芯)で住宅ローン減税が利用できると思っていたけど、登記簿(内法)面積を確認してみたら50㎡未満で、実は利用できなかった。。。
専有面積(壁芯)が50(40)㎡台のマンションにありがちなケースですので、住宅ローン控除を受けようと考えている方は「床面積」には特に注意が必要です。
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(初回投稿日:2023年9月15日)