中古マンションを買う上で、いつ頃のマンションがお買い得なのか気になるところですよね。
価格と施設や設備、立地などのバランスに加え、どのような安全性なのか、管理体制はどうなっているのか、何より地震の多い日本では気になるのが耐震性。高いローンを組んで買ったマンションが地震で住めなくなったら戸建て以上に悲惨なのではと考える方も多いようです。このページでは2000年以降の高い耐震性のあるマンションを見分けるポイントをお伝えしていきます。
1981年6月以降に建てられたマンションだから安心?
マンションの耐震性を語るとき必ず出てくるのが1981年の新耐震基準施行の後にできたかどうかというところです。
以前のものより厳しくなり、耐震性に安心が持てる基準が新耐震基準ですから、当然と言えます。
ですが、中でも2000年4月以降に建てられたマンションを選ぶとより安心と言えるのです。
今からその理由をご説明していきますね。
1981年6月に施行された新耐震基準は、
許容応力度計算では、震度5程度の地震で部材の各部が損傷しない
保有水平耐力計算では、震度6強~7程度の大規模地震で倒壊、崩壊しない
ということが課せられました。
このため、阪神大震災や東日本大震災でも、新耐震基準で建てられた建物の地震そのものによる被害は少なかったのです。
もっとも、1971年に施行された旧耐震基準でもそれほど多くの建物が倒壊したわけではないので、日本の建築会社、建築家、施工業者の地震への意識が高いことが分かります。
その後、2000年に木造建築の耐震基準は見直されましたが、コンクリート作りのマンションに向けての建築基準は以前のままです。では、何故2000年以降のマンションの方が耐震性が高いのでしょうか。
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10年間の瑕疵担保責任
瑕疵担保責任とは、かし(傷)担保責任のことを言います。新築物件の場合、入居してから10年以内、基本構造部分に欠陥が見つかった場合は、売主、施行業者は無償で補修、かつ、損害賠償にも応じなければなりません。
2000年4月に住宅品質確保促進法によって創設された制度で、直接地震とは関係ないので、一見耐震性が上がると思えないかもしれませんが、10年もの間、問題の起きないマンションを作らなければならない=しっかりと作らなければならないことになるのです。
そうしますと必然的に構造もしっかりしたもので、丁寧に作る、つまり耐震性も向上しているというわけです。
住宅性能表示制度
瑕疵担保責任と同じく、2000年に住宅品質確保促進法で創設された住宅性能表示制度では、耐震性、耐火性、防犯などの10分野で物件を細かく評価しています。
この住宅性能表示を取得している住宅については、等級で耐震性を見分けることができます。
新耐震基準と同等(等級1)
新耐震基準の1.25倍(等級2)
新耐震基準の1.5倍(等級3)
等級が高いほど安心感の高い建物となります。
住宅性能評価を受けている場合、性能評価書で確認できますし、そこが建物のアピールポイントとなります。
マンションの場合、耐震構造よりコストのかかる免震構造のマンションでも等級2ですので、等級3はほとんどないと言えますが、等級1でも数々の大地震を耐え抜いてきた実績から地震については信頼できるマンションと言えます。
もっとも、この性能評価を取得していないマンションもありますので、あくまで取得している場合、目安になると考えてください。
2000年以降のマンションの構造は優秀?
以上の理由から、2000年以降のマンションは高い耐震性と安全性を持っているといえます。
一生に一度の買い物かもしれないマンションですから、できればずっと住み続けられるいいマンションを購入したいですよね。
また、バブルがはじけた後の2000年以降の物件は、贅沢三昧な方向性から一転、売値を抑え目にしても内容は良いものにしようと努力されている物件も多いのです。
また、強度や構造についても、今の新築マンションとなんら遜色のないものが多いので、自分の見る目に自信がない方も、比較的安心して選ぶことができます。
もっとも、プロのアドバイスを仰ぐことはとても重要ですので、信頼できる不動産業に、耐震性について関心があることを伝え、耐震性と安全性、価格面でバランスの取れた物件を数多く内覧してみるとよいでしょう。
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(初回投稿日:2019年9月10日)
(最終更新日:2024年12月16日)