渋谷区神宮前から千駄ヶ谷まで…特にJR原宿駅から竹下通りを抜け、明治通りの先あたりまでのエリアは「裏原宿(通称:ウラハラ)」と呼ばれています。
かつてストリート系ファッションブームの中心地だった裏原宿は、現在、若者のクリエイティビティーが発揮される街となりつつあります。
今回は、裏原宿の歩みと、現在の裏原宿に迫ります。
裏原宿はストリート系ファッションの発信地
裏原宿には、小さい店舗が多く集まっています。
それらの店舗はオリジナリティを追求したセレクトショップであったり、一点ものを扱うショップであったりします。
流行に敏感な大型店舗が集まる渋谷とはまた違い、人と違った個性的なアイテムや、希少価値のあるアイテムを求める人に人気のエリアといえるでしょう。
特に、裏原宿はストリート系ファッションの発信地。
ゆったりとしたTシャツや、デニムなどのコーディネートを連想する人も多いかもしれません。
かつての裏原宿
裏原宿は1990年代から2000年代初頭にかけて、世界でも屈指のストリート系ファッションの聖地としてにぎわいを見せていました。
いわゆる、一世を風靡した「裏原(ウラハラ)ブーム」です。
裏原宿系とは、「音楽がバックボーンにある」「ゆったりして動きやすいストリートウェア」が特徴的なファッションです。
「裏原(ウラハラ)」と呼び始めたのがだれかなどは知られていません。
裏原宿系は、ミュージシャンである藤原ヒロシ(HF)をはじめ、高木完、高橋盾(ジョニオ)、NIGO®、中村晋一郎(SK8THING)といった数々のクリエイターがつくりあげたもの。
それぞれがブランドや店舗を立ち上げ、日本、東京、そして原宿に新たなスタイルを呼び込み、発展させてきました。
世界でも人気のストリートブランドの数々が、その当時、裏原宿に軒を連ねていました。
「GOODENOUGH」「NEIGHBORHOOD」「A BATHING APE」「UNDERCOVER」「W-TAPS」などが、その代表格です。
しかし、2000年初期から、裏原宿は変化していきました。
ストリート系ファッション以外にも、多くの海外ブランドが日本に上陸しはじめたり、代表的な裏原系ブランドが相次いで脱税を報じられたりしたことがその一端といえるでしょう。
さらに、大型セレクトショップである「BEAMS」「UNITED ARROWS」や、「H&M」「Forever21」のようなファストファッションブランドが台頭してきたこと、シティボーイスタイルと呼ばれるファッションが流行したことも、裏原宿系が衰退していった理由といえます。
ついには新型コロナウイルス流行が重なることで、裏原宿・キャットストリートの北側の店舗空室率は、一時26%にも到達したといいます。
新たな裏原宿プロジェクト
そんな衰退した裏原宿に、もう一度、若者を中心としたクリエイティビティーあふれるカルチャー発信地としての役割を取り戻させようという動きが出てきました。
2021年に発足した任意団体、「URAHARA PROJECT(ウラハラプロジェクト)」は、原宿神宮前商店会の早川千秋会長を中心に、裏原宿の町おこしを企画。
2022年には、キャットストリート(旧渋谷遊歩道)でのファッションイベント「ウラハラフェス 2022 オータム」が開催されました。
Z世代の若者たちや、さらにその下の世代のこどもたちも巻き込んだイベントを行うことで、かつて一世風靡した裏原ブームとも違う、新たなカルチャーの発信を行っていくのがねらいです。
ファッションイベントは、キャットストリートでのファッションショーからスタート。
このファッションショーのランウェイは、キャットストリートに敷かれた40メートルにも及ぶレッドカーペット。
そこを最初に歩いたのは、若者に絶大な支持を持つファッション誌「Popteen」で活躍する、Z世代のモデルチーム「LOVEteen」でした。
さらに、原宿にゆかりがあるチームによる、趣向を凝らしたイベントも。
裏原宿にある「KIMONO by NADESHIKO」は、着物ショーを開催しました。
モデルは、文化服装学院の学生たちです。
また、原宿にある「ベルエポック美容専門学校」の学生によるヘアメイクショーも行われたほか、子どもたちが自らスタイリングした服を着てのファッションショーも。
こちらのファッションショーは、子ども向け服飾教室「Kids Design School(子供デザイン教室)」に通う生徒たちによるものです。
ほかにも、アート色あふれる催しや、原宿にある空手道場「健生館 上田道場」の生徒たちによる空手パフォーマンス、さらには警察のマスコットキャラクターであるピーポくんと、渋谷区長、カジュアルな装いの原宿警察署長によるランウェイも。
レッドカーペットは開放され、来場者が自由に歩き、写真を撮ることができました。
こうした参加型のイベントとしたのは、若者たちに「裏原宿を自分たちの街と思ってもらいたい」という意図があったといいます。
2023年4月22日・23日には、キャットストリート全域で「ウラハラフェス2023スプリング」を開催しました。
今回のメインイベントは、キャットストリートでのフリーマーケット。
こちらも、Z世代の若者を中心としたイベントで、「学園祭ノリで楽しめる」フリーマーケットがコンセプト。
サスティナブルファッションやSDGsをテーマとして取り入れているのも、最先端のカルチャーといえるでしょう。
URAHARA PROJECT公式ホームページ:https://www.uraharaproject.com/
原宿神宮前商店会Instagram:https://www.instagram.com/harajuku.jingumae
【裏原宿系で注目の施設】Section L Pop-up
新たな裏原宿の可能性を感じられる施設が、2022年2月にオープンしました。
カルチャー・アミューズメント施設「Section L Pop-up」です。
この「Section L Pop-up」は、Z世代向けの企画や、D2Cブランドの運営を行う「僕と私と株式会社」と、長期滞在型ホテルの運営などを手掛ける「株式会社セクションL」の共同企画。
コロナ禍で加速した裏原宿の閑散とした状況をみて、原宿のESGの観点に基づいてつくられました。
※ESG=持続可能な世界の実現のために、企業の長期的成長に重要な環境(E)・社会(S)・カバナンス(G)の3つの観点
「Section L Pop-up」は、「若き起業家やクリエイターたちが斬新なコンテンツを企画し実装する場所」とされています。
これからの東京カルチャーを担う世代の「溜まり場」というのがコンセプト。
これまでは、アパレル・飲食・シーシャラウンジなど、期間限定のショップで構成されてきました。
【Section L Pop-up】
住所:東京都渋⾕区神宮前4-27-2 Section L Pop-up
アクセス:JR 原宿駅 徒歩6分
定休日:火曜日
公式ホームページ:https://section-l.co/pop-up-house/
【裏原宿系で注目のアパレルショップ】blue room / Summer of Love
かつて一世を風靡した「裏原系」。
その「裏原系」を現代ならではのテイストにアップデートさせているのが、アパレルショップ「blue room」と「Summer of Love」です。
このふたつのアパレルショップは交流が深く、ふたつをあわせて「BLUE SUMMER(ブルー・サマー)」としても知られています。
ラインナップは主に、90年代の裏原系ストリートファッションやクラブファッション。
ギミックの効いたユニークなアイテムを取りそろえており、希少なアイテムを入手したい人にはイチオシです。
【Blue Room】
住所:東京都渋谷区渋谷2-4-10 鈴木ビル102
アクセス:各線 渋谷駅 徒歩10分
営業時間:13:00~20:00
公式Instagram:https://www.instagram.com/blue_room___/
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(初回投稿日:2023年4月25日)
(最終更新日:2025年1月31日)