「渋谷区で家を買う」と聞くと、恵比寿・代官山・広尾のような超高額エリアを想像しがちです。
けれど実際の渋谷区には、「都心アクセスは強いのに、価格はまだ現実的」なポジションの街があります。
その代表が、京王線・京王新線の笹塚と幡ヶ谷。
新宿に近い生活圏を保ちつつ、住宅地としての落ち着きも手に入れやすいエリアです。
この記事では、笹塚・幡ヶ谷の中古マンション相場感を「渋谷区内の相対比較」と「予算別の狙い方」に落とし込みながら整理します。
笹塚・幡ヶ谷の相場目安(坪単価・価格帯のイメージ)
まずは相場の空気感をつかむために、駅相場(推計)と掲載価格帯(市場の出物レンジ)を分けて見ます。
■笹塚の目安
・駅周辺の推計相場:約350万円/坪(概算)
・平均価格帯(2024年10月~2025年9月):
~40㎡: 2,980万円
40~60㎡:5,280万円
60~80㎡:8,980万円
80~100㎡:11,500万円
笹塚は駅前の利便性が高く(商業施設がまとまる)、単身〜DINKs向けのコンパクト住戸も出やすい一方、築浅・広め住戸は当然レンジが上がります。「3,000万円台から出物が存在する」のが、渋谷区内では大きな特徴です。
■幡ヶ谷の目安
・駅周辺の推計相場:約369万円/坪(概算)
※別推計では平均坪単価:約391万円/坪の表示例もあり
・平均価格帯(2024年10月~2025年9月):
~40㎡: 2,950万円
40~60㎡:5,980万円
60~80㎡:9,490万円
80~100㎡:14,800万円
100㎡~:24,800万円
幡ヶ谷は「新宿の隣駅圏」という強さがありつつ、住宅地としての色が濃い。相場推計はサイトによってブレますが、体感としては笹塚と同等〜やや上のレンジで見ておくと判断がしやすいです。
渋谷区内で現実的になりやすい理由
■理由1:超ブランドエリアとは「価格の決まり方」がまったく違う
渋谷区のマンション価格は、一見するとすべて同じように高そうに見えますが、実際にはエリアごとに価格の決まり方がまったく異なります。
たとえば、
恵比寿・代官山・広尾といったエリアは、
・街のイメージ
・アドレスブランド
・富裕層の居住ニーズ
・「この街に住みたい」という憧れ
といった情緒的・ブランド的な価値が価格に大きく上乗せされています。
そのため、
・築年数が多少古くても高い
・駅距離が多少あっても価格が落ちにくい
・相場というより指名買いに近い動き
になりやすく、「立地プレミアム」が強く効く構造です。
一方で、笹塚・幡ヶ谷はこのロジックが少し違います。
こちらは、
・新宿へのアクセスの良さ
・日常生活の便利さ
・家賃・購入価格とのバランス
・実際に住みやすいかどうか
といった実用性・合理性ベースで価格が形成されるエリアです。
つまり、
「イメージで値段が跳ねる」のではなく
「住みやすさに対して妥当な価格がつく」
この違いがあるため、渋谷区の中でも
価格と実力が乖離しにくい=割高感が出にくいのが、笹塚・幡ヶ谷の大きな特徴です。
■理由2:築年・広さ・駅距離の「調整幅」がとにかく広い
笹塚・幡ヶ谷が「現実的」と言われる最大の理由は、選び方の自由度が非常に高いことにあります。
このエリアには、
・築浅マンション
・90年代〜2000年代の中堅マンション
・リノベ前提の築古物件
・ワンルーム〜ファミリー向けまで幅広い間取り
が混在しており、いわゆる“価格の階段”がなだらかです。
そのため、
・「駅徒歩を優先して、築年は妥協する」
・「築浅にしたいから、駅から少し離す」
・「広さを取りたいから1駅ずらす」
・「将来売却しやすい広さを選ぶ」
といった調整が現実的にできるエリアになっています。
これが、渋谷駅周辺や代官山エリアになると、
・そもそも物件数が少ない
・条件を1つ緩めても価格があまり下がらない
・「妥協したのに高い」状態になりやすい
という構造になりがちです。
笹塚・幡ヶ谷は、
「どこかを少し譲れば、ちゃんと価格に反映される」
という意味で、非常に健全なマーケットと言えます。
笹塚・幡ヶ谷駅近くの未公開物件など、渋谷区物件掲載数No.1の中古マンションなび渋谷区への会員登録がお勧めです。
■理由3:「実需層」が多く、投機色が薄い
もう一つ大きなポイントが、購入者層です。
笹塚・幡ヶ谷は、
・実際に住む人(単身・共働き・子育て層)
・長く住む前提の購入者
が中心になりやすいエリアです。
そのため、
・投資マネーによる価格の吊り上げ
・転売前提の短期売買
・築浅プレミアムの過剰評価
が起きにくく、価格が比較的安定しています。
これは将来的に見ても重要で、
・購入時に割高を掴みにくい
・売却時も大きく崩れにくい
・住み替え・賃貸化の選択肢を残しやすい
というメリットにつながります。
■理由4:「渋谷区に住む」という満足感を保ったまま現実路線を取れる
笹塚・幡ヶ谷の強みは、
「渋谷区アドレス」を維持しながら、生活の現実と折り合いがつく点です。
・新宿まで1駅〜2駅
・渋谷も自転車圏
・生活インフラは十分
・都心勤務との相性も良い
それでいて、価格は「渋谷区の中では明らかに抑えめ」。
このバランスの良さこそが、
・初めてのマンション購入
・都心回帰を考える30〜40代
・将来の住み替えを見据えた選択
において、笹塚・幡ヶ谷が選ばれ続ける理由です。
予算別:狙いやすい住まい方(笹塚・幡ヶ谷の実務目線)
※価格は相場の「考え方」のための整理です。実際は築年・管理状態・階数・方角・眺望・道路付けで大きく動きます。
〜4,000万円台:単身〜DINKsの現実ライン
・1K〜1LDK中心
・築古リノベ・駅徒歩やや妥協、で成立しやすい
幡ヶ谷駅周辺でも、一人暮らし向き(1K〜1LDK)の価格目安表示があり、ボリュームゾーンの把握に役立ちます。
5,000万〜8,000万円台:選べるゾーン
・1LDK〜2LDKの選択肢が増える
・立地(徒歩分数)と状態(リノベ/築浅)のバランスが取りやすい
笹塚は掲載価格帯の上限側まで幅があるため、ここを予算上限に置くと「駅近・状態良し」を引き寄せやすくなります。
9,000万円〜:渋谷区らしい条件に寄せられる
・広め2LDK〜3LDK、築浅、駅近など「欲しい条件」が揃いやすい
・ただし、この価格帯になると渋谷区内の他エリアも視野に入るため、比較検討で迷いやすいゾーンでもあります
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購入前にここだけは押さえたいチェックポイント
1)「駅距離」より先に「生活動線」を確認
笹塚は駅前に商業が集まりやすく、幡ヶ谷は商店街や生活店の点在が魅力になりやすいタイプ。街の使い方が合うかで満足度が分かれます。
2)甲州街道・首都高沿いは「音・窓・向き」で差が出る
幡ヶ谷は駅を出てすぐ幹線道路の印象が強い立地もあり、同じ徒歩分数でも住環境が変わります。現地で「窓を開けた状態」を必ず確認。
3)管理状態で「資産性」が分かれやすい
現実的な価格帯=築年が上がる選択肢も増える、ということ。修繕積立金・長期修繕計画・直近の大規模修繕の履歴は、価格以上に効いてきます。
まとめ
•笹塚・幡ヶ谷は、渋谷区の中でも「価格を現実に寄せながら買いやすい」ポジションを作りやすい
•笹塚は掲載レンジが広く、相場観の入口として掴みやすい
•幡ヶ谷は新宿近接の強さがあり、相場推計は笹塚同等〜やや上で見ておくと判断しやすい
参考:
SUUMO:
https://suumo.jp/ms/chuko/soba/tokyo/ek_16280/
https://suumo.jp/ms/chuko/soba/tokyo/ek_30610/
HowMa:https://www.how-ma.com/
笹塚・幡ヶ谷駅近くの未公開物件など、渋谷区物件掲載数No.1の中古マンションなび渋谷区への会員登録がお勧めです。

