渋谷区のマンション価格は、ここ数年で大きく上昇しました。
渋谷駅周辺の再開発に加え、恵比寿、代官山、広尾、表参道など高い人気を持つエリアが多く、都内でも資産価値を維持しやすい地域として注目されています。
そのため、「以前よりかなり高く売れるのでは」と感じている所有者も多いでしょう。
一方、2026年に入ってからの市場を見ると、これまでのように価格が一方向に上がり続ける状況から、少しずつ変化が見え始めています。
渋谷区のマンションを売却するなら、現在の価格だけを見るのではなく、市場がどちらへ動いているのかまで確認することが重要です。
東京23区ではマンション価格に変化が出始めている
中古マンション価格は長期間にわたり上昇してきました。
東京カンテイによると、2026年8月の東京23区における中古マンションの70㎡換算価格は1億2,677万円でした。
依然として非常に高い水準ですが、前月比では0.4%下落しています。さらに6月から3か月連続で価格が下がっており、東京都全体でも8月は28か月ぶりの前月比マイナスとなりました。
つまり、「東京のマンションはまだ高い」という状況と、「上昇の勢いは弱まりつつある」という状況が同時に起きています。
売却を考えるうえでは、この違いを理解しておく必要があります。
価格が高水準だからといって、半年後や1年後にさらに高くなるとは限りません。
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渋谷区ではこれまで価格が大きく上昇してきた
渋谷区は、東京23区の中でもマンション価格が上昇してきたエリアのひとつです。
東京カンテイが2026年4月に公表した東急田園都市線の調査では、渋谷駅の中古マンション平均坪単価は979万円でした。
前年から約30%上昇しており、坪1,000万円に迫る水準です。
ただし、この数字を見るときには注意が必要です。
平均価格は、売り出されているマンションの築年数や広さ、グレードによっても変動します。
高級マンションや築浅物件の売り出しが増えれば、エリア全体の平均価格も押し上げられます。
したがって、「渋谷区の坪単価が上がったから、自宅も同じ割合で上がっている」と考えるのではなく、自分のマンションに近い条件の成約事例を見ることが大切です。
「売出価格」と「実際に売れた価格」は違う
マンション売却で特に注意したいのが、インターネット上に掲載されている価格です。
物件情報サイトで確認できる価格の多くは、売主が設定した「売出価格」です。
一方、実際の取引では価格交渉が行われることがあります。
たとえば1億円で販売されているマンションでも、最終的な成約価格が9,700万円になるケースはあります。
市場が上昇している時期には、多少高めの価格設定でも購入希望者が現れやすくなります。
しかし、買い手が慎重になれば状況は変わります。
2026年夏の東京23区では、流通物件数が増え、価格改定を行う物件の割合や値下げ率についても弱い動きが確認されています。
「売出価格は高いのに、なかなか売れない」という物件が増えてくれば、売主側にも価格調整が必要になります。
金利上昇も購入できる価格に影響する
マンション価格を見るときは、住宅ローン金利も無視できません。
日本銀行は2026年9月、無担保コールレートを1.25%程度で推移させる方針を示しています。
金利が上がれば、住宅ローンを利用する購入者の毎月の返済額も増えます。
たとえば同じ年収の購入者でも、金利が低い時期と高い時期では借りられる金額が変わります。
その結果、高額マンションほど購入できる人が限られる可能性があります。
渋谷区には1億円を超える中古マンションも多いため、金利の変化が買い手の判断に与える影響は小さくありません。
ただし、渋谷区では富裕層や投資家、現金購入者なども一定数存在します。
そのため、金利が上がったからといって、すぐに価格が大幅に下落するという単純な話ではありません。
重要なのは、以前よりも買い手が物件を選別しやすい市場になっていく可能性があることです。
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これからは「渋谷区なら何でも高く売れる」とは限らない
市場に変化が出てくると、マンションごとの差が大きくなります。
同じ渋谷区でも、渋谷駅徒歩圏のタワーマンションと、駅から距離のある築古マンションでは購入者層が異なります。
恵比寿・代官山・広尾・松濤などブランド性の高いエリアと、それ以外の住宅地でも価格の動きは同じではありません。
さらに、
・駅からの距離
・築年数
・管理状態
・間取り
・眺望
・階数
・耐震性能
・修繕積立金
・大規模修繕の予定
などによっても売却価格は変わります。
市場全体が上昇している時期には、このような条件差が価格上昇に隠れることがあります。
しかし相場の勢いが弱くなると、「条件の良い物件」と「価格を下げなければ売れない物件」の差が表面化しやすくなります。
購入時より高く売れる人ほど税金も確認しておく
渋谷区では購入時よりマンション価格が上がっているケースも珍しくありません。
そこで忘れたくないのが譲渡所得税です。
マンションを売却して利益が出た場合、購入価格や購入時・売却時の諸費用などを差し引いた譲渡所得に対して税金がかかることがあります。
また、所有期間によって税率も変わります。
自宅として使用していたマンションであれば、一定の条件を満たすことで3,000万円特別控除などを利用できる場合もあります。
査定額だけを見て「これだけ利益が出る」と判断するのではなく、住宅ローン残高や仲介手数料、税金などを差し引いた手取り額まで計算しておきましょう。
売却を考えているなら「いくらか」より「いくらなら売れるか」を見る
マンション価格が高い現在、渋谷区の物件を所有している人にとって売却を検討しやすい環境であることは確かです。
ただし、市場には少しずつ変化が出ています。
東京23区の価格は依然として高水準ながら、2026年夏には3か月連続で下落しました。
今後は、単純に「待てばもっと高くなる」と考えるより、現在の市場で自分のマンションがどの程度評価されるのかを確認することが重要です。
特に参考になるのは、近隣で現在売り出されている物件だけではなく、実際に成約した物件の価格です。
同じマンション内や周辺エリアで、築年数・面積・階数などが近い取引事例を確認すると、より現実的な売却価格が見えてきます。
まとめ
渋谷区の中古マンションは、ここ数年の価格上昇によって高い水準にあります。
一方で2026年夏以降、東京23区全体では価格の上昇に変化が見え始めました。
価格改定や値下げを行う物件も増えており、これからは物件ごとの条件がより重視される市場になる可能性があります。
だからこそ、「まだ値上がりするかもしれない」と待つだけではなく、一度現在の価値を確認しておくことが大切です。
査定を受けたからといって、すぐに売却する必要はありません。
現在の査定価格、近隣の成約事例、住宅ローン残高、税金、今後の住み替え予定などを整理すれば、今売るべきなのか、もう少し保有するのかを判断しやすくなります。
渋谷区のマンション価格が高い水準にある今こそ、相場そのものではなく、自分の物件が現在いくらで売れるのかを知ることから始めてみましょう。
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