渋谷区にマンションを所有していると、「今売ったら、いくらになるのだろう」と気になることがあります。
購入したときより相場が上がっているように感じても、渋谷区のマンション価格はすべて同じように動いているわけではありません。
渋谷・恵比寿・代官山・広尾と、初台・幡ヶ谷・笹塚では、同じ渋谷区でも購入する人の目的や予算が異なります。さらに築年数、駅からの距離、建物の管理状態、部屋の向きなどによっても売却価格は変わります。
自宅マンションの価値を知るときは、「渋谷区の平均価格」だけではなく、エリアと築年数を分けて考えることが大切です。
渋谷区のマンションは「区全体の平均」だけでは判断できない
渋谷区は、中古マンション市場でも価格帯の幅が大きいエリアです。
SUUMOが2025年10月から2026年9月までの掲載物件を集計したデータを見ると、駅や専有面積によって価格帯には大きな差があります。
たとえば80~100㎡の物件では、渋谷駅の価格中央値が3億円を超える一方、初台や笹塚などではより実需層が検討しやすい価格帯の物件も見られます。
つまり、「渋谷区だから○億円」「築20年だから○万円」と単純には判断できません。
まず確認したいのは、自宅と同じ駅・近い築年数・似た広さのマンションが、現在どのくらいの価格で動いているかです。
渋谷・恵比寿・代官山は立地とブランド性が価格を支えやすい
渋谷駅周辺では現在も駅機能の再編や再開発が続いています。渋谷区も、駅前広場や駅ビルなどを含む周辺整備を公民連携で進めています。
そのため渋谷駅徒歩圏のマンションでは、築年数だけでなく、「再開発エリアに近い」「複数路線を利用できる」といった立地そのものが評価されやすくなります。
恵比寿や代官山も同様です。
恵比寿はJR山手線や東京メトロ日比谷線などが利用でき、住宅だけではなく飲食店や商業施設も多いエリアです。代官山は駅周辺の街並みやブランドイメージが強く、戸数の少ない低層マンションなどにも独自の需要があります。
このようなエリアでは、築年数が経過していても、立地やマンションそのものの評価が高ければ価格を維持しているケースがあります。
広尾・松濤・神宮前は「物件の個性」まで見る
広尾、松濤、神宮前などでは、駅徒歩分数だけでは価値を判断しにくい場合があります。
静かな住環境、土地の希少性、低層マンション、敷地の広さ、眺望、建築家やブランドデベロッパーによる設計などが評価されることもあるためです。
特に高額帯になるほど、「渋谷区の平均的な㎡単価」をそのまま当てはめると実際の価値とずれる可能性があります。
同じ築20年でも、一般的なマンションと、管理状態の良いヴィンテージマンションでは評価が異なります。
売却価格を見る際には、近隣マンションだけではなく、「同じ購入者層が比較しそうな物件」を確認することが重要です。
初台・幡ヶ谷・笹塚は生活利便性と価格のバランスがポイント
渋谷駅から少し離れた初台、幡ヶ谷、笹塚では、恵比寿や代官山とは違った需要があります。
京王線・京王新線を利用しやすく、新宿方面へのアクセスが良い一方、渋谷区の中では比較的住宅を探しやすい価格帯です。
そのため、自宅用として購入する人から選ばれやすく、「駅から近い」「スーパーが近い」「間取りが使いやすい」といった日常生活に直結する条件が価格に影響しやすくなります。
特に50~70㎡程度の1LDKや2LDKでは、単身者、DINKs、少人数世帯など複数の購入層が検討できます。
ブランド性だけではなく、「この価格なら渋谷区に住める」というバランスも価値の一部です。
築10年・20年・30年でマンションの価値はどう変わる?
マンションは一般的に、築年数が経つほど建物の評価は下がります。
ただし、築年数に比例して毎年同じ割合で価格が下がるわけではありません。
築10年前後なら、設備や外観が比較的新しく、大規模なリフォームをせずに住める物件も多いため、中古マンションとして評価されやすい時期です。
築20年前後になると、室内設備の古さに加えて、大規模修繕の実施状況、修繕積立金、管理状態なども重視されます。
築30年を超えると、築浅物件との差はさらに大きくなりますが、渋谷区では立地次第で十分な需要が残るマンションもあります。
恵比寿の取引データでも築年数によって㎡単価に差が出ている一方、築年数だけで価格が一直線に下がるわけではないことが確認できます。
つまり、「築古=売れない」と考える必要はありません。
築年数より重要になることもある「管理状態」
中古マンションでは、建物が古くなるほど管理状態の差が表れます。
エントランスや共用部がきれいに保たれているか、大規模修繕が計画的に行われているか、修繕積立金が不足していないかといった点は、購入希望者にとって重要な判断材料です。
同じ築25年でも、管理が行き届いたマンションと、修繕計画に不安のあるマンションでは評価が変わります。
また、耐震基準、総戸数、管理形態、管理費・修繕積立金なども確認しておきたいポイントです。
「売出価格」ではなく「成約価格」も確認する
自宅の価値を調べるときに注意したいのが、不動産ポータルサイトに掲載されている価格です。
掲載価格は、売主が「この価格で売りたい」と設定した売出価格であり、実際に売買された金額とは限りません。
たとえば1億5,000万円で販売されているマンションでも、実際には価格交渉を経て1億4,000万円台で成約することがあります。
相場を見るなら、現在の売出物件だけではなく、過去の成約事例も確認したほうが実際の売却可能額に近づきます。
自宅の価格を知るなら「似た3~5件」と比べる
マンション価格を判断するときは、自宅と条件の近い物件をいくつか比較すると分かりやすくなります。
同じマンション内の売却事例があれば、特に参考になります。
ただし同じ建物でも、階数、方角、眺望、室内状態、角部屋かどうかによって価格差が出ます。
たとえば、同じ70㎡・築20年でも、高層階の南向きと低層階の北向きでは同じ価格にはなりません。
査定額を見る場合も、「渋谷区だから」「築○年だから」という説明だけではなく、どの成約事例と比較して価格を算出したのか確認すると納得しやすくなります。
今の価値を知ることは、すぐ売ることとは違う
マンションの価格を調べたからといって、すぐに売却する必要はありません。
現在の資産価値を把握しておけば、「売る」「貸す」「そのまま住む」という選択肢を比較しやすくなります。
渋谷区では、駅周辺の再開発や住宅需要など、エリアごとに価格へ影響する条件も異なります。
「うちのマンションはいくらだろう」と思ったときは、渋谷区全体の平均だけを見るのではなく、まず自宅と同じエリア・似た築年数・似た広さの成約事例を確認してみましょう。
築年数だけでは見えない、そのマンションならではの価値が見えてくるはずです。
参考
https://suumo.jp/baikyaku/ms/chuko/soba/tokyo/sc_shibuya/
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