渋谷区にありながら新宿駅がすぐ隣の代々木。
JR中央本線、山手線、都営大江戸線が通っているためアクセスが良く、代々木公園、明治神宮、新宿御苑など緑の多い環境がすぐそばでファミリー層にも人気の街です。
そんな代々木駅周辺ですが、果たして安全に住めるのでしょうか？
今回は犯罪発生率など治安の面を含む、代々木駅の安全性についてご紹介します。
代々木駅周辺は繁華街と観光地を避ければ治安が良い
結論から言うと、代々木駅周辺は犯罪発生率としては渋谷区のなかでも平均的といえます。
繁華街や観光地もあるため、犯罪が起きても納得のエリアでもありますが、実は一部を除くと犯罪発生率がぐんと下がり、住みやすいといえます。
代々木駅周辺に住むなら、治安が良い場所を選ぶのがおすすめです。
以降、詳しく解説していきます。
そもそも渋谷区の犯罪発生率は？
渋谷区は多くの特徴ある街を持つ区であり、歓楽街や娯楽施設のある渋谷駅、原宿駅をはじめ、賑わいのあるエリア。
それゆえに犯罪件数は多いと思われがちですが、実は犯罪件数だけで見ると、東京23区の中では必ずしも多いとはいえません。
2023年（令和5年）における犯罪発生数（犯罪認知件数）が多いランキングは次の通り。
1位 新宿区 5,537件
2位 江戸川区 4,289件
3位 足立区 4,222件
4位 世田谷区 4,084件
5位 大田区 3,851件
6位 練馬区 3,480件
7位 豊島区 3,405件
8位 渋谷区 3,388件 ★
・・・
ただし、人口に対する犯罪発生件数を計算した犯罪発生率をみると、都内でも上位にランクインしてしまいます。
1位 千代田区 （2,376件／68,439人） 3.47%
2位 新宿区 （5,537件／354,182人） 1.56%
3位 渋谷区 （3,388件／243,855人） 1.39% ★
4位 台東区 （2,805件／220,691人） 1.27%
5位 港区 （2,980件／267,122人） 1.12%
・・・
※人口は令和5年12月時点のデータ
出典：東京都の人口（推計）
渋谷区という広いくくりで見ると、決して犯罪件数が少ないとは言えないのが現実です。
代々木駅周辺の犯罪発生率は？
それでは、代々木駅周辺の犯罪発生率はどうでしょうか。
2023年（令和5年）の代々木駅周辺での犯罪件数は次の通りです。
渋谷区代々木１丁目 （65件／2,993人） 2.17%
渋谷区代々木２丁目 （59件／3,024人） 1.95%
渋谷区代々木３丁目 （34件／4,920人） 0.69%
渋谷区代々木４丁目 （37件／6,984人） 0.53%
渋谷区代々木５丁目 （31件／6,650人） 0.47%
渋谷区代々木神園町 （28件／113人） 24.78%
渋谷区千駄ヶ谷１丁目 （22件／1,731人） 1.27%
渋谷区千駄ヶ谷２丁目 （9件／1,237人） 0.73%
渋谷区千駄ヶ谷３丁目 （27件／3,222人） 0.84%
渋谷区千駄ヶ谷４丁目 （19件／2,350人） 0.81%
渋谷区千駄ヶ谷５丁目 （136件／2,457人） 5.54%
渋谷区千駄ヶ谷６丁目 （データなし／17人） 0.00%
合計 467件／ 35,698人 ＝1.31%
※人口は令和6年1月1日時点のデータ
出典：東京都の統計
合計の数字だけ見ると、渋谷区の平均値に近いことがわかります。
しかし、エリアによって数字に大きな開きがあることにも注目しましょう。
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代々木駅周辺で犯罪発生率が高いのは代々木神園町と千駄ヶ谷5丁目
最も犯罪発生率が高いのは、代々木神園町。（24.78%）
この辺りはいわゆる明治神宮の敷地内にあたります。
人口もほかのエリアに比べて極端に少なく、住民は明治神宮の関係者が多いのが特徴。
つまり住宅地というよりは観光地としての側面が強い街です。
住んでいる人が少ないうえに、訪れる人はほかの場所よりも多いため、結果的に犯罪発生率が高くなってしまうのは仕方ないといえるでしょう。
次に犯罪発生率が高いのは、千駄ヶ谷５丁目です。（5.54%）
代々木駅は、駅名こそ「代々木」ですが、実際の住所は千駄ヶ谷5丁目。
つまりここはいわゆる代々木駅前であり、さらには新宿駅にまたがる一帯でもあります。
繁華街であるがゆえに犯罪件数が多いのは納得です。
また、千駄ヶ谷5丁目は犯罪発生率が高いものの、いっぽうで飲食店やショップも多数存在し、生活する上での利便性が非常に高いエリアです。
新宿高島屋があるのも千駄ヶ谷5丁目です。
代々木駅周辺で最も治安が良いのは代々木5丁目・4丁目
代々木駅周辺で最も犯罪発生率が低いのは、代々木5丁目（0.47%）・代々木4丁目（0.53%）です。
代々木5丁目は典型的な「閑静な住宅街」で、駅としては参宮橋駅と代々木八幡駅が最寄りとなります。
施設としては代々木八幡宮があり、代々木公園とも隣接するエリア。
つまり都会の中にも緑あふれるエリアで、ファミリー層が好んで住む場所ともいえます。
代々木4丁目も似たような立地で、こちらは初台や明治神宮に隣接するエリアです。
なお、千駄ヶ谷6丁目は犯罪件数のデータが存在せず、人口もきわめて少数となっています。
これは千駄ヶ谷6丁目がほぼ新宿御苑の敷地内だからといえるでしょう。
住むことはあまり現実的ではありません。
代々木駅周辺の犯罪内容は？
代々木駅周辺で最も目立つのが、「非侵入窃盗」です。
代々木駅周辺での犯罪件数の大多数を占めるのがこの非侵入窃盗。
最も犯罪件数の多い千駄ヶ谷5丁目では、136件中116件が該当します。
これらはつまり、自転車の盗難や万引きといった犯罪です。
やはり繁華街ならではの犯罪といっても良いかもしれません。
なお、代々木神園町については、この非侵入窃盗が15件に対し、「その他刑法犯」が10件となっています。
その他刑法犯とはたとえば占有離脱物横領、公務執行妨害、器物破損などの刑法犯のことをいいます。
明治神宮が大部分を占める敷地だからこその数字といえるかもしれません。
他には暴行などの粗暴犯も件数がありますが、基本的に空き巣などの侵入窃盗や凶悪犯罪は非常に少なく、全体でみると住む場所さえ選べば比較的安心して住めるエリアといえそうです。
代々木駅で住むなら代々木駅から離れた住宅街がおすすめ
これらのデータから、代々木駅周辺で住まいを探しているなら、代々木駅前を避けた住宅街を選ぶことがおすすめです。
空き巣被害などは比較的少ないとはいえ、トラブルに巻き込まれるリスクを減らすなら駅から少し離れた立地が安心かもしれません。
特に、代々木公園に近いエリアや初台に隣接したエリアは治安が良いといえるでしょう。
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代々木駅周辺の災害リスクは？
安全な住まいを探したいなら、治安だけではなく災害リスクもおさえておきたいところ。
・洪水災害
渋谷区のハザードマップでは、想定最大規模の降雨において（1時間の最大雨量が153mm、24時間の総雨量が690mm）浸水範囲や深さ、避難場所を掲載しています。
洪水が想定されるのは神田川と渋谷川で、これらの川沿いを中心に一部浸水の可能性があります。
代々木駅周辺では0.1～0.5m、0.5～1.0m、多いところでは1.0～3.0mの浸水の可能性があるため、注意が必要です。
出典：洪水ハザードマップ
・土砂災害
代々木駅周辺では、代々木5丁目の一部に土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の指定があります。
黄色の枠が土砂災害警戒区域、赤い枠が土砂災害特別警戒区域です。
・地震災害
渋谷区では地震における危険度やゆれやすさを示したマップを公表しています。
代々木駅周辺では極端に危険度が高い場所はありませんが、こまかなエリアによって危険度が異なってくるため、住まい探しの際にはチェックしておきましょう。
また、代々木駅周辺には比較的ゆれにくいエリアが多いほうではありますが、一部ゆれやすい場所も存在するので確認しておきましょう。
出典：渋谷区危険度マップ
・津波災害
渋谷区には、「津波災害警戒区域」「津波災害特別警戒区域」に指定されている区域はありません。
・液状化現象
地震が起きた際に、地盤が液体のようになる現象を「液状化現象」といいます。
メカニズムとしては、地震で繰り返される振動により地下水の水圧が高くなり、砂の粒子が地下水に浮いたような状態になることによって起こります。
渋谷区全体では、液状化現象のリスクが高い場所はありません。
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