渋谷区のマンションを買うのは、どのような人なのだろう」と気になる方も多いのではないでしょうか。
渋谷区は、渋谷駅周辺の大規模再開発、恵比寿・代官山の洗練された街並み、松濤や広尾周辺の邸宅地、笹塚・幡ヶ谷の暮らしやすい住宅街まで、エリアによって性格が大きく異なります。
そのため、購入者も一部の富裕層に限られるわけではありません。
実際には、高所得の共働き世帯、都心で働く単身者、子育て世帯、経営者、住み替えを考えるシニア層、資産性を重視する投資家など、さまざまな人が購入しています。
今回は、公的な統計や近年の市場動向を踏まえ、渋谷区のマンションを買う人の特徴を見ていきます。
マンション購入者の中心は30~40代。ただし渋谷区では年齢層が広い
国土交通省の「令和7年度住宅市場動向調査」によると、三大都市圏で分譲マンションを取得した世帯主の平均年齢は44.4歳、中古マンションでは46.7歳です。
初めて住宅を購入する一次取得者では30代が中心ですが、買い替えとなる二次取得者では60歳以上の割合が高くなります。
渋谷区では30~40代に加え、所有する住宅の売却資金を充てられる50~60代、相続資産や事業収入を背景に購入する人もいます。
物件価格が高い地域だからこそ、年齢よりも世帯収入・自己資金・既存資産の有無が大きく影響します。
高所得の共働き世帯や専門職・経営者
渋谷区のファミリー向けマンションは、一般的な会社員の単独収入だけでは購入しにくい価格帯も少なくありません。
そのため、夫婦ともに働く高所得世帯、会社役員や経営者、医師・弁護士などの専門職、IT・金融・外資系企業に勤める人が購入候補になりやすい傾向があります。
国土交通省の同調査では、分譲マンション取得世帯の平均世帯年収は981万円です。
ただし、これは三大都市圏全体の平均であり、渋谷区ではより高い返済能力や自己資金を求められるケースが多いでしょう。
2025年の渋谷区の中古マンション成約価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の集計をもとにすると中央値で8,500万円、平均で1億円を超えています。
購入理由は、単に「渋谷に住みたい」という憧れだけではありません。
職住近接によって通勤時間を減らせること、会食や出張の移動に便利なこと、仕事と私生活の両方を効率化できることも重視されています。
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1LDK・2LDKを選ぶ単身者やDINKs
渋谷区は、一人暮らしや二人暮らしの購入需要が強い地域です。
2020年の国勢調査をもとにした渋谷区人口ビジョンによると、区内の一般世帯に占める単独世帯の割合は64.5%でした。
居住者の構成と購入者の構成は同じではありませんが、コンパクトマンションを検討する単身者が多い市場であることは読み取れます。
30~50㎡前後の1LDKは、賃貸を続ける代わりに自宅を資産として持ちたい単身の会社員や専門職に選ばれます。
50~70㎡前後の1LDK・2LDKは、子どもを持たない共働き夫婦、いわゆるDINKsの需要も見込めます。
この層は広さだけでなく、駅からの距離、築年数、管理状態、セキュリティ、眺望、内装の質をよく比較します。
また、将来の転勤や結婚、家族構成の変化を考え、「住まなくなったときに売りやすいか、貸しやすいか」を購入時から意識する人も少なくありません。
教育環境と住みやすさを求める子育て世帯
渋谷区には繁華街の印象がありますが、上原・西原・大山町・代々木・初台・本町などには落ち着いた住宅街が広がっています。
通勤利便性を維持しながら、教育環境や住環境も確保したい子育て世帯がマンションを探すエリアです。
ファミリー層は、専有面積や間取りだけでなく、保育園・学校までの経路、公園、スーパー、医療機関、交通量、夜間の雰囲気まで確認します。
同じ渋谷区でも、渋谷駅や恵比寿駅に近い物件と、笹塚・幡ヶ谷・初台周辺の物件では、購入予算も重視される生活環境も異なります。
国土交通省の調査では、分譲マンション取得世帯の平均居住人数は2.7人で、小学生以下の子どもがいる世帯は37.4%でした。
マンション購入者全体で見ても、子育て世帯は無視できない層です。
資産価値を重視する投資家・法人・海外購入者
渋谷区のマンションは、資産価値を重視する人からも検討されます。
渋谷・恵比寿・代官山・広尾・表参道周辺は知名度が高く、賃貸需要も見込みやすいため、個人投資家や法人が購入するケースがあります。
また、海外投資家や日本在住の外国人から関心を集めやすいことも渋谷区の特徴です。
ただし、外国人購入者の割合を示す区単位の網羅的な公的統計はないため、「海外の人ばかりが買っている」とまではいえません。
立地の知名度、交通利便性、管理体制、英語での情報提供など、条件がそろった物件ほど国内外の幅広い需要を取り込みやすいと考えるのが適切です。
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住み替えをするシニア層や、親から援助を受ける購入者
郊外の戸建てから、管理しやすく交通の便がよいマンションへ移るシニア層も購入者の一
部です。
駅や病院に近いこと、段差が少ないこと、建物のセキュリティが整っていることは、年齢を重ねてからの暮らしやすさにつながります。自宅の売却代金を購入資金に充てる場合、給与収入だけでは測れない購買力があります。
30~40代でも、親から資金援助を受けたり、相続した資産を頭金に充てたりする人がいます。
渋谷区の高額物件では、年収だけを見ても「誰が買えるのか」を正確に判断できません。
現金購入、住宅ローン、買い替え資金、贈与など、資金計画は多様です。
購入者は「価格」だけでなく管理状態まで見ている
購入予算に余裕がある人でも、知名度だけで物件を決めるわけではありません。
渋谷区は築年数の古いマンションも多いため、修繕積立金の残高や長期修繕計画、大規模修繕の実施状況、管理組合の運営状態まで確認する購入者が増えています。
室内がきれいにリフォームされていても、建物全体の管理に不安があれば購入を見送られることがあります。
反対に、築年数が経過していても、耐震性や配管の更新状況が確認でき、共用部が清潔に保たれているマンションは評価されやすくなります。
購入後に必要となるリフォーム費用を見込んだうえで、立地と建物の管理状態を優先して中古物件を選ぶ人もいます。
特に高額帯では、管理費や修繕積立金が将来どこまで上がる可能性があるかも判断材料になります。
売却前には、管理関係の資料をそろえ、買主の疑問にすぐ答えられる状態にしておくことが重要です。
売却では「どの購入者に合う物件か」を考える
渋谷区のマンション購入者を一言で表すなら、「都心の利便性と将来の資産性に価値を感じ、そのための資金計画を立てられる人」です。ただし、求める条件は物件によって異なります。
駅近の1LDKなら単身者や投資家、管理状態のよい2LDKならDINKs、学校や公園に近い3LDKなら子育て世帯、広尾・松濤・代官山などの高額物件なら経営者や富裕層、海外購入者も候補になります。
売却時は「渋谷区だから高く売れる」と一括りにせず、広さ、間取り、築年数、駅距離、眺望、管理状態から想定購入者を絞ることが大切です。
誰に向けて、どの魅力を伝えるかが明確になれば、広告写真や紹介文、売り出し価格の設定も変わります。
多様な購入需要を理解することが、納得できる売却への第一歩です。
参考:
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002012180.pdf
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