渋谷区で中古マンションの購入を検討する際、価格や築年数、駅からの距離とあわせて確認しておきたいのが再開発の動向です。
渋谷駅周辺では「100年に一度」とも呼ばれる大規模なまちづくりが長期間にわたって進められており、2026年現在も複数のプロジェクトが進行しています。
再開発によって駅の利便性や歩行者動線、商業施設などが整備されれば、周辺の暮らしやすさが向上する可能性があります。一方で、工事中の騒音や交通規制、人通りの変化など、中古マンション購入前に確認しておきたい点もあります。
ここでは、渋谷区で中古マンションを探している人に向けて、主な再開発計画と物件選びへの影響を解説します。
渋谷駅周辺の再開発は2030年代まで続く
渋谷駅周辺では、すでに渋谷ヒカリエ、渋谷ストリーム、渋谷スクランブルスクエア東棟、渋谷サクラステージなど、大型施設が相次いで開業しています。
しかし、渋谷駅の再開発はこれで終了したわけではありません。
渋谷区によると、JR渋谷駅や駅を中心とした歩行者ネットワークは2030年度の概成が予定されています。さらに、渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期の中央棟・西棟は2031年度の完成、渋谷駅街区計画全体では2034年度の完成が目指されています。
今後も駅周辺では、駅施設だけではなくデッキや地下通路、広場などが段階的に整備される見込みです。
中古マンション選びでは、現在の駅までの距離だけを見るのではなく、将来的な歩行者動線まで確認することがポイントになります。
渋谷二丁目西地区では大規模複合施設を整備
渋谷駅の東側では、「渋谷二丁目西地区第一種市街地再開発事業」が進められています。
対象となるのは渋谷二丁目の約2.3haで、店舗、オフィス、ホテル、人材育成施設、バスターミナルなどを備えた大規模な複合施設が計画されています。東京都都市整備局の計画では、建築工事完了は2029年度が予定されています。
このエリアは渋谷駅と青山・表参道方面をつなぐ位置にあります。
再開発によって商業・業務機能だけでなく移動の利便性が高まれば、渋谷二丁目や東、常磐松方面なども含め、周辺エリアの使いやすさが変わる可能性があります。
中古マンションを検討する場合は、「渋谷駅徒歩○分」という数字だけで比較せず、新しい施設や通路が完成した後のアクセスも想像しておきましょう。
宮益坂周辺でも再開発が進行
渋谷駅東口から青山方面へ延びる宮益坂でも、大規模な再開発が計画されています。
「宮益坂地区第一種市街地再開発事業」は、渋谷一丁目・二丁目にまたがる約1.4haを対象とする事業です。現在の計画では2027年度の着工、2031年度の竣工・開業が目指されています。
渋谷駅東側ではすでに2024年に渋谷アクシュが開業し、青山方面へ向かう歩行者ネットワークも整備されています。
このため今後は、宮益坂から青山・表参道方面まで含めた回遊性がさらに向上する可能性があります。
渋谷一丁目や二丁目、神宮前方面で中古マンションを探している場合には、特にチェックしておきたい計画です。
道玄坂二丁目南地区でも再開発が進む
渋谷駅西側では「道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業」が進行しています。
対象面積は約0.8haで、オフィス、ホテル、店舗などからなる延べ約8万7,000㎡の施設が計画されています。あわせて歩行者ネットワークや広場、緑地などを整備し、道玄坂周辺の回遊性を高める計画です。
道玄坂から神泉、円山町、松濤方面には中古マンションも多くあります。
この周辺で物件を探す場合には、大型施設そのものだけでなく、完成後に人の流れがどのように変化するかにも注目したいところです。
一方で繁華街に近い場所では、利便性が高くなるほど人通りや車の往来が増える可能性もあります。静かな住環境を重視する場合は、駅距離だけではなく現地の雰囲気も確認しましょう。
神南・宇田川町では「公園通り西地区」の再開発
神南一丁目・二丁目、宇田川町では、「公園通り西地区第一種市街地再開発事業」が進められています。
対象区域は約1.4haで、住宅、店舗、事務所などを含む複合施設が計画されています。老朽化したマンションや区立小学校の更新に加え、歩行者空間や広場の整備、防災機能の強化なども計画に含まれています。
渋谷駅周辺というと商業施設の再開発に注目しがちですが、こうした事業では住宅や学校など生活に直結する施設も更新されます。
中古マンション購入者にとっては、周辺の生活環境や街並みそのものが変化する可能性のある再開発といえるでしょう。
再開発エリアのマンションなら必ず値上がりするわけではない
再開発エリアでは「将来価格が上がるのでは」と考える人もいるでしょう。
確かに、駅や歩行者動線が整備されたり、新しい商業施設が開業したりすることで、エリアの利便性や認知度が高まるケースはあります。
しかし、再開発予定があることだけを理由に中古マンションの値上がりを期待するのは注意が必要です。
マンションの資産性には、駅距離、築年数、管理状態、修繕積立金、間取り、階数、眺望など、さまざまな条件が影響します。
さらに、すでに再開発への期待が販売価格へ織り込まれている可能性もあります。
そのため、「再開発があるから買う」ではなく、物件自体の条件を確認したうえで、再開発をプラス材料のひとつとして考えることが大切です。
工事期間中の生活への影響も確認する
再開発予定地の近くに中古マンションを購入する場合は、完成後だけでなく工事期間中の環境も確認しましょう。
大規模な再開発では、解体や建築工事が数年間続くことがあります。
工事車両の通行、騒音、振動、道路規制などが発生する可能性があるほか、現在は開けている方向に高層建築物が建ち、眺望や日当たりが変わる場合もあります。
購入候補のマンション周辺で再開発が予定されている場合は、完成イメージだけでなく、建物の高さや位置、工事予定期間まで確認しておくと安心です。
渋谷区の中古マンションは「将来の街」を見ながら選ぼう
渋谷区では、渋谷駅を中心に2030年代まで複数の再開発が続く予定です。
駅や歩行者ネットワークだけでなく、宮益坂、道玄坂、神南、渋谷二丁目など、それぞれのエリアで街の姿が変わろうとしています。
そのため渋谷区で中古マンションを購入する際は、現在の利便性だけで物件を比較するのではなく、5年後、10年後に周辺環境がどう変化するのかを調べることが重要です。
一方、再開発は資産価値を保証するものではありません。マンションそのものの管理状態や築年数、立地条件なども含めて総合的に判断しましょう。
再開発の計画図や完成予定時期を確認しながら物件を比較することで、購入後の暮らしと将来の売却の両方を見据えた中古マンション選びにつながります。
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