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渋谷区で住むなら知っておきたい災害リスク

渋谷区は、交通利便性が高く、商業施設や飲食店、文化施設が充実している人気のエリアです。渋谷・恵比寿・代官山などの繁華街だけでなく、広尾、松濤、上原、初台、笹塚など、落ち着いた住宅地も数多くあります。

 

一方で、渋谷区内は場所によって標高や地形、建物の密集度が大きく異なります。同じ区内でも、水害や地震、土砂災害などのリスクには差があるため、物件価格や駅からの距離だけでなく、災害への強さも確認しておくことが重要です。

今回は、渋谷区で住まいを選ぶ際に知っておきたい主な災害リスクと、物件選びのポイントを解説します。

 

渋谷区は坂と谷が多い地形

 

渋谷区の災害リスクを考えるうえで、まず知っておきたいのが地形です。

「渋谷」という地名が示すように、渋谷駅周辺は谷状の低地に位置しています。その周囲には、松濤や南平台町、代官山町、広尾などの比較的標高が高い地域があり、区内には坂道が数多く存在します。

 

高台と低地が複雑に入り組んでいるため、道路一本、数百メートルの違いで浸水の想定や避難のしやすさが変わることもあります。

一般的には、高台のほうが水害リスクを抑えやすい傾向があります。ただし、高台であっても急傾斜地の近くでは土砂災害に注意が必要です。また、災害リスクは地形だけでなく、建物の構造や築年数、周辺道路の状況によっても変わります。

 

渋谷駅周辺や川沿いでは水害に注意

 

渋谷区で特に確認しておきたいのが、大雨による浸水リスクです。

渋谷区は、神田川流域と渋谷川流域を対象とした洪水ハザードマップを公開しています。このハザードマップでは、想定最大規模となる1時間153ミリ、24時間690ミリの降雨を前提に、河川の氾濫だけでなく、下水道などの排水能力を超えることで発生する内水氾濫も加味されています。

 

渋谷川は、渋谷駅周辺から恵比寿方面へ流れています。そのため、渋谷駅周辺の低地や渋谷川に近い場所では、集中豪雨時の浸水想定を確認しておく必要があります。

また、川から離れている場所でも安心とは限りません。短時間に大量の雨が降ると、下水道で処理しきれなかった雨水が道路や地下空間へ流れ込むことがあります。

特に注意したいのは、地下住戸、半地下住戸、地下駐車場、地下にエントランスがある建物です。地上の浸水深がそれほど大きくなくても、低い位置にある開口部から水が入り込む可能性があります。

 

物件を内見するときは、ハザードマップだけでなく、エントランスや駐車場が道路より低くなっていないか、防水板や止水設備があるかも確認しましょう。

 

 

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過去の浸水実績も確認する

 

ハザードマップは、一定の条件を設定したシミュレーションです。将来必ずそのとおりに浸水するわけではありませんが、反対に、色が付いていない場所なら絶対に安全という意味でもありません。

 

より実態に近い情報を得るためには、過去の浸水実績も併せて確認することが大切です。

渋谷区の地図情報システムでは、200041日から2024331日までの浸水実績が公開されています。ただし、掲載内容が区内で発生したすべての浸水を網羅しているわけではなく、宅地浸水については街区単位で表示されています。

購入を検討しているマンションや土地がある場合は、対象地だけを見るのではなく、最寄り駅から物件までの経路も確認しましょう。自宅が浸水しなくても、駅前や周辺道路が冠水すると、帰宅や避難が難しくなる可能性があります。

 

地震では建物倒壊と火災の両方を確認

 

渋谷区は都心部に位置しているため、首都直下地震などの大規模地震に備える必要があります。

東京都は町丁目ごとに、建物倒壊危険度、火災危険度、災害時活動困難係数を反映した総合危険度を公表しています。危険度は5段階のランクで示され、地域ごとの相対的な地震リスクを比較できます。

渋谷区内には新しいマンションや耐火性能の高い建物が多い一方で、木造住宅が集まる地域や、道幅が狭い住宅地も残っています。

 

道路が狭い場所では、建物が倒壊して道をふさいだり、消防車や救急車が入りにくくなったりする可能性があります。木造住宅が密集する地域では、地震後の火災や延焼にも注意が必要です。

物件選びでは、19816月以降の新耐震基準を満たしているかを最低限確認しましょう。中古マンションの場合は、築年数だけでなく、耐震診断や耐震補強の実施状況、修繕履歴、管理組合の防災対策まで確認することが重要です。

 

高層マンションでは停電とエレベーター停止に備える

 

渋谷区にはタワーマンションや高層の賃貸住宅もあります。高層階は浸水リスクを避けやすい一方で、地震や停電時には別の問題が発生します。

エレベーターが停止すると階段での移動が必要になり、水道設備が止まれば高層階まで水が届かない可能性もあります。物流が混乱すれば、食料や日用品の確保も難しくなります。

 

高層マンションを選ぶ場合は、非常用発電機の稼働範囲、エレベーターの復旧対策、受水槽や備蓄倉庫の有無を確認しましょう。

マンションでは、建物自体が無事でも自宅で生活を続けられなくなる「生活継続リスク」があります。最低でも数日分、可能であれば1週間程度の水や食料、携帯トイレ、モバイルバッテリーなどを用意しておくと安心です。

 

急傾斜地周辺では土砂災害にも注意

 

渋谷区は都心のイメージが強いものの、土砂災害のリスクがまったくないわけではありません。

区内には高低差の大きな場所や崖、擁壁があり、一部には土砂災害警戒区域などが指定されています。渋谷区は洪水ハザードマップとは別に、土砂災害ハザードマップを公開しています。

 

崖の上にある物件だけでなく、崖の下にある物件にも注意が必要です。古い擁壁、ひび割れ、排水設備の劣化などがないかを確認し、土地や戸建てを購入する場合は、不動産会社だけでなく専門家による調査も検討しましょう。

 

帰宅困難者になる可能性も考える

 

渋谷区では、住宅そのものの被害だけでなく、外出中に災害が発生する可能性も考えなければなりません。

渋谷駅や原宿駅、恵比寿駅周辺には、通勤・通学者や観光客が集中します。大地震で鉄道が止まると、多数の帰宅困難者が発生し、駅周辺の混雑や通信障害、店舗の営業停止などが予想されます。

 

自宅から勤務先までの徒歩経路、広域避難場所、一時滞在施設などをあらかじめ確認しておきましょう。家族と連絡が取れない場合の集合場所や、災害用伝言サービスの使い方を決めておくことも有効です。

 

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ハザードマップは物件単位で確認する

 

渋谷区は、区全体を一括して「安全」「危険」と判断できる地域ではありません。高台の住宅地、谷状の低地、川沿い、木造住宅地、高層マンション街など、エリアによって注意すべき災害が異なります。

住まいを選ぶ際は、次の項目を確認しましょう。

 

・洪水ハザードマップの浸水想定
・過去の浸水実績
・土砂災害警戒区域の指定
・東京都の地震地域危険度
・建物の耐震基準と構造
・周辺道路の幅や避難経路
・地下住戸や地下駐車場の有無
・マンションの備蓄や非常用電源

 

ハザードマップに色が付いているからといって、直ちにその物件を避けなければならないわけではありません。建物の階数や構造、防水対策、管理状況によってリスクを軽減できる場合もあります。

 

大切なのは、リスクを知らないまま契約するのではなく、想定される災害と対策を理解したうえで判断することです。利便性や資産価値に加えて、防災面からも物件を比較することで、渋谷区でより安心して暮らせる住まいを選びやすくなるでしょう。

 

 

 

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