渋谷区で中古マンションの購入や売却を考えるとき、気になるのが「今の価格は本当に高いのか」「10年前と比べてどれくらい上がったのか」という点です。
結論から言えば、渋谷区の中古マンション価格はこの10年で大きく上昇しました。
単なる一時的な値上がりというより、都心回帰、再開発、低金利、建築費の高騰、投資需要などが重なり、価格水準そのものが一段上がったと見るのが自然です。
特に渋谷区は、渋谷駅周辺だけでなく、恵比寿、代官山、広尾、神宮前、富ヶ谷、代々木上原、笹塚、幡ヶ谷など、住宅地としても商業地としても人気の高いエリアを多く抱えています。
そのため、東京23区全体の価格上昇の中でも、比較的強い上昇を見せてきた地域のひとつです。
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10年前と比べると、価格は約2倍近くまで上昇
渋谷区の中古マンション価格は、2010年代半ばから右肩上がりの傾向が続いています。
民間調査では、渋谷区のマンション平均売買㎡単価は2016年時点で約92万円、2025年6月時点で約179万円とされています。
単純に比較すると、約94%の上昇です。
つまり、10年前に1㎡あたり90万円台だった物件が、現在では1㎡あたり180万円前後まで上がっているイメージです。
70㎡のマンションで考えると、2016年頃は単純計算で6,400万円前後だったものが、2025年頃には1億2,500万円前後になる計算です。
もちろん、築年数、駅距離、所在階、眺望、管理状態によって価格は大きく変わりますが、相場感としては「10年前の感覚では買いにくくなった」と言える水準です。
特に渋谷区では、築年数が経過したマンションであっても、立地が良ければ価格が大きく落ちにくい傾向があります。
築古だから安い、駅から少し離れているから大きく下がる、という単純な見方が通用しにくくなっています。
価格上昇の背景には、渋谷区そのものの価値上昇がある
渋谷区の中古マンション価格が大きく上がった理由は、単に「マンション市場全体が上がったから」だけではありません。
渋谷区というエリア自体の価値が、この10年でさらに高まったことも大きな要因です。
まず、渋谷駅周辺では大規模再開発が続きました。渋谷スクランブルスクエア、渋谷ストリーム、渋谷フクラスなどの開業により、オフィス、商業、観光、エンタメの機能がさらに集積しました。
かつての渋谷は若者文化の街という印象が強いエリアでしたが、現在はIT企業やスタートアップ、外資系企業も集まるビジネスエリアとしての性格も強まっています。
また、恵比寿や代官山、広尾、代々木上原などは、もともと住宅地としてのブランド力が高いエリアです。
都心に近く、飲食店やショップも充実していながら、落ち着いた住環境を選べる点が評価されています。
単身者、共働き夫婦、富裕層、投資家など、さまざまな層から需要があるため、中古マンションの価格も下がりにくくなっています。
新築マンションの高騰が中古価格を押し上げた
中古マンション価格の上昇には、新築マンション価格の高騰も大きく影響しています。
ここ10年で、建築費、人件費、土地取得費は大きく上がりました。
都心部ではそもそも新しくマンションを建てられる土地が限られているため、新築マンションの供給数も絞られやすくなっています。
新築価格が高くなると、「新築は手が届かないから中古を検討する」という買い手が増えます。
その結果、中古マンションにも需要が流れ込みます。
渋谷区のように新築供給が限られ、なおかつ住みたい人が多いエリアでは、中古であっても価格が上がりやすくなります。
また、中古マンションは同じ立地に後から新しく供給しにくいという特徴があります。
たとえば、恵比寿駅徒歩圏、代官山駅徒歩圏、広尾アドレス、神宮前アドレスなどは、今後も同じ条件の物件が大量に出てくるわけではありません。
その希少性が、中古価格を支える材料になっています。
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低金利と資産性への意識も価格上昇を後押し
この10年は、住宅ローン金利が低い状態が長く続いた時期でもあります。
金利が低いと、同じ年収でも借りられる金額が増えやすくなります。
そのため、物件価格が上がっても、月々の返済額で見ると購入を検討できる人が一定数いました。
さらに、都心マンションを「住まい」だけでなく「資産」として見る人も増えました。
賃貸に住み続けるより、資産性の高いエリアで中古マンションを買ったほうが将来的に有利ではないか、という考え方です。
渋谷区は賃貸需要も強く、売却時の流動性も比較的高いため、実需と投資の両面から選ばれやすいエリアです。
特に近年は、円安の影響もあり、海外投資家から見た東京の不動産価格が相対的に割安に見える場面もありました。
すべての物件に海外需要があるわけではありませんが、都心部の高額マンション市場では、こうした資金の流入も価格を押し上げる一因になっています。
エリアによって上がり方には差がある
ただし、渋谷区全体の価格が上がったといっても、すべてのエリア・すべての物件が同じように上がったわけではありません。
恵比寿、代官山、広尾、神宮前、渋谷駅周辺などは、ブランド力や利便性が強く、価格上昇のインパクトが大きいエリアです。
一方で、笹塚、幡ヶ谷、初台、本町などは、同じ渋谷区内でも比較的生活密着型の住宅地として見られます。
都心寄りの高級住宅地に比べると価格帯は抑えられる傾向がありますが、それでも10年前と比べると購入しやすいとは言いにくくなっています。
また、同じ駅徒歩圏でも、駅からの距離、坂の有無、道路付け、築年数、管理状態、修繕積立金の状況によって価格差は大きくなります。
特に中古マンションでは、築年数そのものよりも、管理状態の良し悪しが価格に影響しやすくなっています。
売却を考える人にとっては好機だが、過信は禁物
渋谷区で中古マンションを所有している人にとって、この10年の価格上昇は大きな追い風です。特に、駅近、人気アドレス、管理状態の良いマンションは、今も買い手がつきやすい傾向があります。
ただし、価格が上がっているからといって、どんな価格でも売れるわけではありません。近年は高値疲れも見られ、買い手側も以前より慎重になっています。
住宅ローン金利の上昇、物価高、管理費・修繕積立金の上昇などにより、購入予算にシビアな人も増えています。
そのため、売却する場合は、相場より極端に高く出すよりも、適正価格で反響を集める戦略が重要です。
特に住み替えを予定している場合は、売却価格だけでなく、次に買う物件の価格も上がっている点に注意が必要です。
まとめ:渋谷区の中古マンションは、10年前より明らかに高くなった
渋谷区の中古マンション価格は、この10年で大きく上昇しました。
平均売買㎡単価で見ると、2016年から2025年にかけて約2倍近くまで上がっており、10年前の感覚で物件を探すのは難しくなっています。
背景には、渋谷駅周辺の再開発、住宅地としてのブランド力、新築マンションの高騰、低金利、資産性への期待、国内外からの需要などがあります。
特に渋谷区は、都心の利便性と住環境のバランスが取れたエリアが多く、中古マンション市場でも強い人気を維持してきました。
ただし、今後も同じペースで上がり続けるとは限りません。
すでに価格は高値圏にあり、金利や景気、買い手の予算によっては、物件ごとの差がより大きくなる可能性があります。
購入するなら、エリア名だけで判断せず、管理状態や成約事例まで確認すること。
売却するなら、上昇相場に甘えず、今の買い手が納得できる価格設定を意識することが大切です。
渋谷区の中古マンションは、10年前と比べて「かなり高くなった」と言えます。
ただし、それは単なる過熱ではなく、エリアの価値や希少性が価格に反映された結果でもあります。
だからこそ、今後はより丁寧な相場確認と物件選びが重要になります。
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